実践!転職に役立つ「30歳からの自己分析法」
ビジョンの叶え方
30歳を過ぎてふと思う。「自分は他人より何が優れているんだろう」そして「一体何がしたいんだろう・・・」。バブル経済崩壊後、厳しい時代の中をそれなりに頑張ってきたはずなのに、ふと気付くと、これから先の自分がよく見えない。そんなあなたにキャリアアップの達人が明日から使える「30歳からの自己分析法」をお届けします。(全6回)
ここまで「あなたの強み」「あなたの使命」「あなたのビジョン」を考えてきました
さて、本コラムもいよいよ最終回を迎えました。今回はまずこれまでの振り返りをしてみたいと思います。
第1回コラムではあなたがこれまで他者から言われたコメントの体系化を行い、第2回ではこれまであなたが大きく凹んだ経験を振り返ることで「あなただけの強み」を認識しました。
また、第3回ではあなたの「ルーツ」を探ることで「あなたの使命」や「やるべきこと」の方向性を探り、第4回では他者に対して抱く「憧れ」の感情を分析し、あなた自身が潜在的に理想とする生き方や人物像を浮かび上がらせました。そして、第5回(前回)では、「大きな欲」(=一生かけて追いかけたいテーマ)と「小さな欲」(=実際の生活レベルとして得たいこと)を考えることで『最終的にどんな人生を送りたいと思っているか』というビジョンを描きました。
人生のビジョンが明確になった今、あなたが気になっているのは、「ではどうやって、そのビジョンを叶えるか」ということに尽きると思います。最終回の今回はそのことについて触れたいと思います。
ビジョン達成には、まず「自分を信じること」
ビジョンを描くことができたあなたにまず必要なことは何だと思いますか。
わたしは「絶対自分にはそれを達成することができる」という「自信」だと思います。なぜならば、自信がないとビジョン達成に向けて合理的な方法を真剣に考え、猪突猛進に行動するというパワーが湧いてこないからです。
また、自分自身を信じていない人に他者が手を差し伸べてくれるわけがありません。お金や時間など自分自身の労力はもちろんのこと、他者からの情報や紹介などの支援なくしてビジョンを達成するのは難しいでしょう。
これらを考えても、「自分を信じる気持ち」がいかに大事かということに納得いただけると思いますが、あなたが大きくビジョンを掲げても、たいていの他者はそれに関心を示さなかったり、聞き流したり、なかには嘲笑ったりする人もいるものです。そんなときに、他者の反応に動揺し、右往左往するのではなく、あなたの中にある「ビジョンの芽」をしっかり守り育てていくのは、あなた自身しかいません。そういう意味でも、夢を現実のものにする段階で発生するいろいろな障害を乗り越える原動力は、あなたの自分を信じる気持ちしかないのです。
「自分を信じる」ためには、自分の価値を認め、自らの存在を大事に思うことが大切です。言い方を変えると、自分の能力を認め、自分を愛するということです。キャリアチェンジや転職、就職活動では、それができているか否かがその結果を分けるように思えてなりません。
あなたは、自分の存在は世界で唯一無二だと思いますか。あなたは、自分を愛せていますか?
次に、「足りないものを自覚すること」
自分を信じる気持ちの次に必要なのは、ビジョンを叶えるまでの道程、マイルストーン(=重要なチェックポイント、タスク)を描くということです。短期的、中期的、あるいは長期的な時間軸の中で、それぞれのタイミングで何をしていくべきかを書き出してみてください。
そして、今現在どんなことができていないか、どんなことが分からないか、何が足りないかを自覚します。このことにより、ビジョン達成までの道程で、あなたが今何をすべきなのかが見えてきます。
そして、「人に会う、人に会う、人に会う・・」
「できていないこと」「分かっていないこと」「足りないこと」がわかったら、それをサポートしてくれる人は誰なのかを考えましょう。あなたの周囲や知り合いの顔を思い出し書き出してみましょう。もし、必要な人材が知り合いに全くいなければ「サポートしてくれる人」を「知っていそうな人」を考えてみてください。
例えば、あなたが今、これまでのキャリアの中で経験したことのない業界への転職を考えていたとします。しかし、その業界の仕事の内容や適性の実態を知らないとすれば、まず自分が描いている仕事のイメージに近いかを確認したくなると思います。ここで、「分かっていないこと」「足りないこと」を書き出し、次ぎにその業界にいる人、またはその業界の人とつながっていそうな人を書き出し、連絡を取り、その全員に会ってみるのです。
その他には、ウェブなどで関連ワードを検索し、明らかにしたいことに関するイベントやセミナーなどがないかを把握します。その上で、ピンと来たものにはどんどん積極的に参加しましょう。ここでのポイントは、そのイベント内容をしっかり見聞することもそうですが、最低限、主催者・講演者・登壇者にはきちんと挨拶し自分の存在を伝え名刺交換をすることを自分に課すのです。同じ「人に会う」ということに時間を使うのであれば、最も上流または先端の情報を持っている人に会うという気概を持ちましょう。このような行動を敢行するためにも、やはり明確な目的意識と自信が大事になってきます。
加えてこれら「人に会う」活動の目安として「1カ月で最低20〜30人の方と知り合おう」というような数値目標を決めてしまうのも手でしょう。ただ「だらだら」やるのではなく、「2カ月間」など期間を限定しその中で1つのマイルストーンを進めてみましょう。
なお、数値目標は、「1カ月に少なくとも2つのイベントに参加しよう。1回あたり10〜20人と名刺交換する。加えて、1週間に2名は個別にお会いする時間をもらうとすると、1カ月20〜30人には会えるな・・」という様に考えてみましょう。
そして「自分の歩みを常に確認すること」
人に会う場合にお勧めしたいのは、経営コンサルタントなら誰でも行っている「事前インタビューガイド」を作成することです。
この「事前インタビューガイド」は読んで字のごとく、インタビュー前に、そのインタビューで何を達成したいのか、何を聞きたいのかといったガイドを書いておくというものです。手帳の隅でも、メモ書きでも大丈夫です。予め「(1)お会いする人の名前と所属、(2)その人の人となり・ご経歴、(3)お会いする目的(達成したいこと)、(4)確認したいこと、質問項目詳細」などを書いておきます。この「書く」という行動によって、自分の現在の状況と面会の意義を捉え、1回1回を有意義にすることができます。
また人に会った後には必ず、その面会内容を振り返り、「明らかにしたかったことの何が分かったか」そして面会によって「更に出てきたあなたのニーズは何か」を確認します。
「更に出てきたニーズ」は例えば「面会によって更に明らかにしたいことが出てきた」でもいいですし、「新たに誰かに何かをお願いする必要がでてきた」でも構いません。
そういう活動をきちんと積み上げることで次の行動が可視化でき、課題発見と解決の連続によって目指すビジョンの達成が近づいてくると思います。
やはり最後は「自信」と「行動」
最終回の今回は少し長くなりましたが、やはり大切なのは「自信」と「行動」。あなたのビジョン現実に必要なことはこの2つだということです。王道ではありますが、それら無きところにビジョンの達成はないと考えるほうがいいかもしれません。
これからも自分の強みや方向性に迷った際は、本コラム1〜5回目のワークを参考にあなた自身を振り返っていただき、ビジョンの実現に向けて行動する段階で迷ったらぜひ今回のコラムを思い出していただけたら幸いです。
1人でも多くの方が、本コラムによって状況や立場が前進した!と言っていただけるよう、またみなさんが豊かで納得の行く人生を歩まれるよう心から願い、筆を置きたいと思います。長らくのご精読ありがとうございました。また会う日まで!
(おわり)
- 【第6回】ビジョンの叶え方(2010年8月23日)
- 【第5回】「大きな欲」と「小さな欲」をみつめよう(2010年7月23日)
- 【第4回】 「憧れ」の感情を振り返り、あなたらしい「生き方」を見つけよう(2010年6月22日)
- 【第3回】 自分の「ルーツ」を振り返り、これからのキャリアを考えよう(2010年5月21日)
- 【第2回】 自己PRに役立つ!凹んだ経験から強みを探る方法(2010年4月21日)
- 【第1回】 転職に役立つ「自分の強み」発見法(2010年3月31日)
早稲田大学卒業後、ベネッセコーポレーション、プライスウォーターハウスクーパース、ボストンコンサルティンググループを経る。その後、マーケティング戦略および営業戦略の立案から実行までを支援するコンサルティング会社、maojian works(マオジェン ワークス)株式会社を設立。キャリア開発支援のためのワークショップも開催。
【執筆コラム】






