夢をつかむ!部下ヂカラ
【第2回】<ステップ1>上司の「背景」を想像してみよう
このコラムでは「リーダーシップ」の逆である「フォロワーシップ」、つまり平たく言う「部下ヂカラ」を磨き、上司の力を借りながら組織の中であなたの夢をどんどん実現していってもらいたいという願いをこめ、その要諦をご紹介したいと思います。
コミュニケーションの基本は、相手の気持ちを察すること

さて、いよいよ今回からは、上司の力を借り組織の中であなたが夢を実現していくための「部下ヂカラ」の実践ステップをご紹介したいと思います。
まず、あなたが「部下ヂカラ」を発揮するために必要なことは何だと思いますか?
私は、部下ヂカラの第一歩は、自ら上司に心理的な垣根を作らないことだと思っています。
これは部下ヂカラのみならず、誰かとともに何かを生み出していくためのコミュニケーションの基本ともいえます。相手に対して心理的な垣根を作らないためには「まず自分から相手の置かれている状況や気持ちを察すること」が重要だと思っています。
例えば、想像してみてください。あなたが恋人や親友など、個人的に興味があり、関係性を進化させたい、長く続かせたいと願う人とのコミュニケーションの場合、「この人は何を考えているのだろう」、「なぜ不機嫌なのだろう」、「なぜ怒っているのだろう」、「なぜ辛そうなのだろう」、「何をしてほしいのだろう」と自然と自分から相手の気持ちを察しているのではないでしょうか。それゆえ良好な関係が築けているといえませんか。
それと同じで、まずあなたが上司に心理的な垣根を作らないということが大事です。つまり、あなたから上司の置かれている状況や気持ちを想像し、歩み寄ることが肝要なのです。
けれども、こと職場となると、これが逆に自然とできない人が多いように感じます。上司はそもそも自分が選んだわけではない、上司の物の考え方が嫌いだ、上司とはそんなに長く付き合うわけではない、などそもそもどこか一歩退いた気持ちがあるからかもしれません。
しかしながら、目的(=上司の力を借り仕事の力をつけ、組織を動かし、自分の夢をかなえていくこと)を考えると、そんなことはとても些細なことだと思います。上司とはそもそも自分から選べるものではなく、それゆえに様々なタイプの人が上司になる可能性があります。そしてその上司があなたの上司である時間はもともと限定的なのです。
「そうはいってもな」というあなたに、今回は今までよりも少し上司に関心を持てる方法をご紹介したいと思います。これは私が実践している方法でもあります。
苦手意識のある相手に歩み寄る方法

まず、あなたが上司から物理的に少し距離を置いて、遠めから上司を見てみます。このとき、心を穏やかにして、目を細めて見るのがポイントです。もし仮に上司が会議や面談で目の前にいたとしても気持ち目を細め、遠めに見てみます。
この状態で、上司の背中から頭にかけて、「上司が背負っている世界」をうっすら映像にして想像してみるのです。たとえば上司が家族を養っていかなければならない責任を負っている「父親(あるいは母親)」である姿、あるいは両親から期待されている姿、「未来の家族(配偶者)」から見てヒーロー(ヒロイン)である姿、そしてそれらの期待に応えなければと思っている心理状況。
いずれも、上司を一個人として見てみると背負っている社会的な責任を感じることができ、会社の中では「負ける」わけにはいかないという心理が想像できます。ときに上層部に対し「イエスマン」であったり、ことなかれ主義であったり、部下であるあなたよりも自分を守ったりすることも少しは理解できるのではないでしょうか。
また、上司が追いかけている「夢」(=組織の中での出世だったり、ある領域で名を揚げたかったり)を想像してみることでも、その夢をかなえるために多少のエゴが言動に出てしまっていることも少しは理解して差し上げられるのではないでしょうか。
つまりこの方法を実践してみることは、あなたが苦手意識を持ってしまっている上司の言動の理由が理解できるのではないかということと同時に、今後の上司の言動にも少し興味が持てていくのではないかということです。
またこの方法は、上司と部下の関係性以外にももちろん応用できます。私は以前、毎日たくさんの方にお会いする営業職をしていました。そのときにも、この方法を実践していました。
お会いするお客様も、様々なタイプの方がいらっしゃいます。中には自分の想像もつかない考え方をしていたり、価値感を持っていたりする方もいらっしゃるものです。そんなときでも、まずその方に苦手意識を持たないようにすることが肝心だと思っていました。いったん苦手意識を持ってしまうと、相手の話に興味が持てなかったり、聞いた話にも受け取り方にバイアスがかかったりする危険性があるからです。まずどのような方に対しても、自分から心理的に歩み寄ることが大事なのです。
そうすることによって最初は突拍子もないように思えていた考え方や価値観、言動もその方のお立場や責務からすると「なるほどな」と納得でき、それに対してお手伝いできることはないだろうかという思いが自然と発生してくるのです。
そうすることで相手に対し「嫌い」や「苦手」という感情は湧いてくる余地がなくなりますし、物事は何事も「作用反作用」ですから、相手からも同じように「嫌い」や「苦手」と思われることも少ないのではないかと感じています。
さて今回の、上司の力を借り組織の中であなたが夢を実現していくための部下ヂカラ「<ステップ1>上司の『背景』を想像してみよう」はいかがでしたか。早速、実践してみてくださいね。
次回は2月に更新予定です。お楽しみに!
- 【第1回】会社でチャンスをつかむために(2010年12月20日)
- 【第2回】<ステップ1>上司の「背景」を想像してみよう (2011年1月20日)
- 【第3回】<ステップ2>上司の「一歩先」を準備しよう(2011年2月21日)
- 【第4回】<ステップ3>上司の「目標」を意識しよう(2011年3月23日)
- 【第5回】<ステップ4>上司を勇気づけるコメントをしよう(2011年4月22日)
- 【第6回】<ステップ5>上司の発言にモノ申そう(2011年5月20日)
早稲田大学卒業後、ベネッセコーポレーション、プライスウォーターハウスクーパース、ボストンコンサルティンググループを経る。その後、マーケティング戦略および営業戦略の立案から実行までを支援するコンサルティング会社、maojian works(マオジェン ワークス)株式会社を設立。キャリア開発支援のためのワークショップも開催。
【執筆コラム】
- 求人&転職 |
- 特集 |
- 夢をつかむ!部下ヂカラ






