夢をつかむ!部下ヂカラ
【第3回】<ステップ2>上司の「一歩先」を準備しよう
このコラムでは「リーダーシップ」の逆である「フォロワーシップ」、つまり平たく言う「部下ヂカラ」を磨き、上司の力を借りながら組織の中であなたの夢をどんどん実現していってもらいたいという願いをこめ、その要諦をご紹介したいと思います。
上司が「これから何をするか」を察知する

第3回目は、組織の中であなたが夢を実現していくための「部下ヂカラ」実践ステップ2つ目をご紹介したいと思います。
前回は「部下ヂカラ」実践ステップ1つ目として、『<ステップ1>上司の「背景」を想像してみよう』をご紹介しました。
それを踏まえて今回は「上司の『一歩先』を準備しよう」がテーマです。あなたは「上司の『一歩先』」と聞いて何を想像しましたか。
ここでいう「上司の『一歩先』」とは、上司が近い将来必ず必要になりそうな細かなことを指し、それを準備しておこうという意味です。
なぜそれが「組織の中であなたが夢を実現していく力」つまり「部下ヂカラ」につながるのかというと、それは忙しい上司が大きな決断やアウトプット(成果物)を優先する一方、迫りくる細かな作業や業務は、やらなければならないとは分かりつつ、どちらかというと後回しに考えるものです。
そこには、「後でやろう。でも忘れないかな」「それに割くための時間は取れるのかな」というような不安を抱えている状況もあれば、既に忘れてしまっている場合もあります。はたまた大きな業務に注意を奪われ、そもそも細かな作業に気づけていない場合もあります。
そんなとき、1つ1つの上司の「一歩先」について部下であるあなたが察知し、「すっ」と目の前に出来上がったものを差し出してくれたら(しかも早いタイミングで)、上司はちょっと感銘してあなたを見直すか一目置くかのどちらかでしょう。ましてや、そのような気遣いが続けられるようになったとき、上司があなたを「仕事ができるやつ」として頼りに思わないわけはないでしょう。また、そんなあなたの意見や希望にも耳を傾けたくなるでしょう。
例えばどんな上司の「一歩先」があるでしょうか。あなたが対応をできているかどうかを少し確認するために、シーンを3つ用意してみました。
【シーン1】
あなたはお客様との商談に上司と同席しています。お客様からの発言の中に上司が恐らくよく知らない企業名や業界用語が出てき
ました。あなたならどうしますか?
⇒部下ヂカラ例:
帰り道ですぐ携帯端末などで調べ、お客様がお話された文脈に即しその背景や意味をさりげなく上司の耳に入れる。
いずれ上司が意味を調べなければならない、または誰かに調べてもらうために指示を出さなければならない作業が発生します。またもし上司がそれを忘れたり放置したりしたままになると、次回お客様との会話で話題になったときもしかするとお客様は「不勉強な人」と気づいてしまう危険性を伴います。
【シーン2】
上司が外出や会議出席直前のタイミングになって「これ人数分コピーしといて」と言って部屋を出ていきそうになりました。あなたならどうしますか?
⇒部下ヂカラ例:
その資料の「人数、完成のタイムリミット、使うタイミング、お届けの要不要、出力形式、ホチキス留め形式、(そのほか)」を即座に簡潔に確認した上で依頼に対応する。
上司の頭の中には、当たり前のように資料を活用するシーンがあり、出来上がりのコピーの理想的なイメージもあります。しかし次の用件に関心が移り、詳細をあなたに伝えていないのです。そのディティールに応えきれていないと、資料は使い物にならない可能性も発生し、最悪コピーをしなおさなければなりません。
【シーン3】
上司がリーダーである組織の中で、ある歓送迎会をしようということで決まりました。あなたなら次の瞬間どうしますか?
⇒部下ヂカラ例:
その歓送迎会の発生の瞬間、上司に予算や人数、上司の空いてる日程、会の目的、その他気にする条件を聞きだし会場などの予約を入れ、他の参加対象者の出欠もまとめます。もし後輩や同僚がいたら、自分の業務を圧迫し、本業に遅延や質の低下を発生させないために周りを巻き込み効率よく動く。
宴会の設定は上司がすべきことではない、ということをすぐ察知し、上司が誰かに委託する作業の前に自らそれを引き取ります。そして、一点の落ち度もなくこなすと同時に、進捗は簡潔に上司に報告するなどすれば信頼は増すでしょう。
相手の「一歩先」を気づき、対応する

これらのことを考えてみて、(逆にこの程度のことで構わないのです)あなたはこの1週間のうち一体いくつ上司の「一歩先」を読み、行動に移せたでしょうか。
1つですか?2つですか?それともそれ以上でしょうか。それとも上司の「一歩先」など考えてみたこともなかったでしょうか。
上司の「一歩先」を準備するためには、以下の3つを少なくともトライしてみることです。
1つ目は、可能であれば上司に直接「どのような点を、若い人や地位の下の人に『仕事として分け与え(=分業、業務切り離しという意味で)』たいか」「若い人や地位の下の人でどのような人を『自分の仕事をよく理解してくれてる』と思い、それはなぜか」などの質問を投げ聞いてみるのです。
2つ目は、もし直接上司に聞けない方でも、取り組みやすい方法です。それは上司と同じような地位、またはそれ以上の地位にある「個人的に親しい人」(=父やおじなど親族でもいいですし、社内外でフランクにいろいろと教えてくれる年上の方でもいいです)に「どのような点が、最近の若い人や地位の下の人の『配慮として足りない点』と思うか」「若い人や地位の下の人でどのような人を『自分の仕事をよく理解してくれている』と思うか」などの質問を投げ聞いてみてください。
3つ目は、それらの内容も含め1週間だけ、上司の地位になったつもりで物事を眺めるように練習してみるのです。営業会議でも、朝礼でも、普段の雑談でも・・・。すると、特段誰かの発言が気になったり、要求に対して満たされない思いなどに気づいたりするかもしれません。
相手の「一歩先」を気づき対応できる力を養うことは、部下ヂカラ以外にも、営業力にも、その他の社内営業力にも通じます。また、プライベートなシーンでも必ず役に立つでしょう。
部下ヂカラのステップ1では上司とあなたとの心の障壁をまずなくす方法をご紹介しました。そして今回ステップ2では上司にあなたのことを気に留めてもらい、信頼してもらう方法をご紹介しました。
次回4回目はいよいよ上司の気持ちをぐっとつかむ方法についてご紹介します。
3月に更新予定です。お楽しみに!
- 【第1回】会社でチャンスをつかむために(2010年12月20日)
- 【第2回】<ステップ1>上司の「背景」を想像してみよう(2011年1月20日)
- 【第3回】<ステップ2>上司の「一歩先」を準備しよう (2011年2月21日)
- 【第4回】<ステップ3>上司の「目標」を意識しよう(2011年3月23日)
- 【第5回】<ステップ4>上司を勇気づけるコメントをしよう(2011年4月22日)
- 【第6回】<ステップ5>上司の発言にモノ申そう(2011年5月20日)
早稲田大学卒業後、ベネッセコーポレーション、プライスウォーターハウスクーパース、ボストンコンサルティンググループを経る。その後、マーケティング戦略および営業戦略の立案から実行までを支援するコンサルティング会社、maojian works(マオジェン ワークス)株式会社を設立。キャリア開発支援のためのワークショップも開催。
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