夢をつかむ!部下ヂカラ
【第6回】<ステップ5>上司の発言にモノ申そう
このコラムでは「リーダーシップ」の逆である「フォロワーシップ」、つまり平たく言う「部下ヂカラ」を磨き、上司の力を借りながら組織の中であなたの夢をどんどん実現していってもらいたいという願いをこめ、その要諦をご紹介したいと思います。
上司と別の角度からモノを考え、発言してみる

さて、本コラム最終回の第6回目は、組織の中であなたが夢を実現していくための「部下ヂカラ」実践ステップ5つめをご紹介したいと思います。
今回は「上司の発言にモノ申そう」がテーマです。ここで掲げた「モノ申す」とは一般的な意味の「異論を申す」ことではありません。
今回取り上げたいのは、上司の視点とは違う角度から「こういう見方もある」「こういう考えはどうか」という提言を上司にしようということなのです。
あなたの上司は、少なくともあなたよりも組織から「成果」を強く求められています。また求められる「成果」も個人のものではなくチームを動かした結果となります。そして、その成果について組織からの注目度も高く評価もシビアでしょう。
そのため、よほど傲慢なタイプの上司でない限り、様々な角度から物事を考え慎重に判断をしたいと思うものです。そこで、あなたが上司の検討を少しでも後押しするような材料を提供できるようになれば、上司はきっとこれまでにない関心をあなたに払うようになると思います。
最初は一笑にふされるかもしれません。また一瞬「出すぎだ」と機嫌を損うかもしれません。しかし、あなたがきちんと考えて出した物事の見解であれば、上司にはボディブローのように時間とともに効いてくることでしょう。
もっとも公正な姿勢を持つ上司であれば、日頃から広く、つまり部下からでさえも様々な意見を求め判断材料にしようとしているものです。
成果を真剣に追及している上司であれば部下が「イエスマン」であることをよしとしません。これは私がコンサルティングで関わる多くの管理職の方々も同じことをおっしゃいます。自分が何を言っても同調しかできない部下は、要するにいてもいなくても同じだと感じているのです。上司が部下に考えを投げかけるとき、それは単なるつぶやきなどではなく、多くは成果に対してより近づけるようなコメントやリアクションが出てはこないかと内心少し期待しているように思います。
部下であるあなたが提供できるコメントやリアクションは何も難しいことや高尚なことでなくて構いません。上司とは異なる視点、違う角度、つまり「現場」の声から感じた示唆であったり、現場に近いからこその反論であったりでいいのです。
日ごろから仕事と真摯に向き合い、洞察することが大切

しかし、お気づきのように、この「上司の意見にモノ申す」ということはそもそもそう簡単にできることではありません。何でもいいからモノを申せばいいということではないからです。
そのために、まずあなたがしなければならないのは、日頃から自分の組織に与えられた目標と、それに対してリーダーである上司が何を起こそうとしているかを理解することです。そしてその考えは違うのではないか、もっと良い方法があるのではないか、もっと異なるアプローチがあるのではないか、という提言はあなたが真摯に仕事に向き合い、出した答えそのものなのです。
つまり、上司にモノ申せる部下であるためには、日頃から組織と自分に与えられた目標を自覚し、どうすれば目標を達成できるかベストアプローチを考え抜けているかによるのです。ここに無意識、無頓着な人が、成果に真摯に向き合う上司の考えを進化させるような提言ができるとは到底考えられません。
例えば、今期、あなたの組織の定量的目標をあなたはそらで言えますか?
組織はその目標に対して、今何%の到達レベルですか?
それは予定どおりでしょうか、それとも出遅れているでしょうか?
その背景原因は何だと思いますか?
あと何を乗り越えなければその目標に到達するかあなたなりの考えがありますか?
先に述べた「日頃から組織と自分に与えられた目標を自覚し、どうすれば目標を達成できるかベストアプローチを考え抜けているか」どうかは、上記のような質問に答えられるかどうかで分かります。
部下ヂカラを発揮する、つまり上司から特別の関心を払ってもらい、自分のやりたいことをやらせてもらうには、日頃の業務にどれだけ「本気」で向き合い、深く物事を洞察できているかも1つです。仕事に本気で向き合い、深い洞察を得るためには、自分の仕事についての納得感や意義を見出すことも大事でしょう。あまり未来ばかりに思いを馳せず、現状の自分の業務を愛することも必要です。
ここまで全6回の連載にお付き合いいただきありがとうございました。
本連載をお読みいただいたことも何かのご縁です。みなさんの今後のご活躍を祈念し、今日はこの辺で筆をおきたいと思います。
- 【第1回】会社でチャンスをつかむために(2010年12月20日)
- 【第2回】<ステップ1>上司の「背景」を想像してみよう(2011年1月20日)
- 【第3回】<ステップ2>上司の「一歩先」を準備しよう(2011年2月21日)
- 【第4回】<ステップ3>上司の「目標」を意識しよう(2011年3月23日)
- 【第5回】<ステップ4>上司を勇気づけるコメントをしよう(2011年4月22日)
- 【第6回】<ステップ5>上司の発言にモノ申そう (2011年5月20日)
早稲田大学卒業後、ベネッセコーポレーション、プライスウォーターハウスクーパース、ボストンコンサルティンググループを経る。その後、マーケティング戦略および営業戦略の立案から実行までを支援するコンサルティング会社、maojian works(マオジェン ワークス)株式会社を設立。キャリア開発支援のためのワークショップも開催。
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